令和元年度西播磨短歌祭入賞作品

【一般の部】

◆兵庫県知事賞

  • おばあちゃん小そうなったと孫は言うそうかそうだね夕やけ小やけ

◆兵庫県議会議長賞

  • おそ夏と初秋のあはひに句読点ひとつ置きたるやうな雲あり

◆兵庫県西播磨県民局長賞

  • 「長生きはしたくないネ」と言う妻が猛暑をママチャリで医院に走る

◆たつの市長賞

  • 九十才間近となればさりげなく呆け具合を計られており

◆(公財)兵庫県生きがい創造協会理事長賞

  • あめんぼのようにドローンの泳ぎいる五月の空は碧く淵なし

◆(公財)兵庫県芸術文化協会賞

  • 猟船がナウマンゾウの化石引く瀬戸内海は陸だったのか

◆西播磨文化協会連絡協議会長賞

  • みずいろの自転車漕いでみずいろの空を連れくる孫つ子の夏

◆神戸新聞社賞

  • 原発の汚染水タンク三年後満杯となる どうするどうする

◆奨励賞

  • 小さきも小きながらの影を置くたとへば卓に鉛筆の影
  • 蝉よりもアラームよりも爽やかに今朝の風鈴起こしくれたり
  • 白椿ひいふうみいよ七つ咲く二人の孫の合否はあした
  • 境界のわからぬ地平の夕焼に鉄塔のみがくっきりと立つ
  • 前足を踏ん張り庭にプードルは散歩を拒む真夏日の夕

◆入選

  • 坂越訪ひ造り酒屋に初しぼり「忠臣蔵」とふ生酒あがなふ
  • 集落に新しき家一戸建つブランコ・シーソー・砂場もありて
  • 法師蝉サビだけ聞かせ飛び立ちぬ夏の終わりの挨拶のごと
  • よう降るなあ狐も狸もみな来いや炭焼小屋でとろろすすらふ
  • ゆるやかにトンボを互に追いかけてひまわり畑の迷路へ入りぬ

【学生の部】

◆兵庫県西播磨県民局長賞

  • 大好きなハイビスカスを伝えたい手話であらわす指文字きれい

◆たつの市長賞

  • 秘密基地遊んだ日々よ思い出に二人の兄の大きな背中

◆(公財)兵庫県生きがい創造協会理事長賞

  • 青春の真っ只中の今だから気づけることと気づけないこと

◆(公財)兵庫県芸術文化協会賞

  • 新時代何も変わりはしないけど大人がはしゃぐ令和の幕開け

◆西播磨文化協会連絡協議会長賞

  • 夏祭り浴衣のかわいい女の子おびのちょうちょがひらひらゆれる

◆神戸新聞社賞

  • 今君に触れてる右手震え出す土砂降りの雨続くといいな

◆奨励賞

  • 岸離れ深く大きな海の中これほど小さな自分だと知る
  • かわいいとほめてもらえたあの日からいつもさげてるかえるのポーチ
  • たくさんの思い出刻むこの夏の笑顔の数が幸せの数

◆入選

  • 「なあちょっと」母が私を呼んでいる本も私を呼んでいるのよ
  • 山たちが生き物すべて守ってるなくならないで宍粟の自然
  • 夕立の過ぎたあとから透きとおるひぐらしの声鳴り響いてる
  • 向日葵が空に向かって伸びているその前向きさに心押される
  • 朝露のまばゆき光に照らされて紫陽花の花は小さく光る
  • 天草に新幹線で一人旅海に潜って最高の夏
  • 少しだけ背伸びをしたい夏休みコーヒーを飲み顔をしかめる
  • モンゴルの彼方に続く大草原天地を分ける地平線かな
  • 妹がとてもだいじに育ててた夕立の後煌くトマト
  • ごめん、待った?今来たところ駅前のいつもどこかの日曜の午後
  • 寝る前に昔の君を思い出す忘れたいのにまだ君がいる
  • 弓かまえ的前たちて鉄紺魂のせて射抜けよ我が矢一的