令和元年度西播磨俳句祭入賞作品
【一般の部】
◆兵庫県知事賞
点滴は祈りの時間冬日差す
◆兵庫県議会議長賞
秋あかね群れてほどけて風となり
◆兵庫県西播磨県民局長賞
句に遊び齢涼しくありにけり
◆たつの市長賞
雲の峰布袋の腹のこぼれ銭
◆(公財)兵庫県生きがい創造協会理事長賞
黙祷の動かぬ影や夾竹桃
◆(公財)兵庫県芸術文化協会賞
経験が心の糧に夏休み
◆西播磨文化協会連絡協議会長賞
西瓜には特に目のない妻だった
◆神戸新聞社賞
この勢ひ吾にほしきと草を引く
◆奨励賞
語り部の露けき一語一語かな
◆入選
故里の大きな誇り青田波
緑とて同じ色なし里の山
風ばかり捕へてをりぬ捕虫網
我が町に銭湯ひとつ花八手
遠雷や夕餉の支度急がねば
素のままに暮らすもよけれ星月夜
夏めくや水琴窟の音色にも
一村の未来を託し入学児
蜩や偲ぶ歩みになってをり
初胡瓜音美しく刻みけり
桑を喰む音は夜通し蚕飼の家
佳き風や花桐にほふ縁の先
雑念を許さぬ瀧の勢ひかな
四斗樽を打つ祭文や浦の盆
仕事着に汗の重さのありにけり
獣との戦ひ初む稲穂どき
お互ひに病にふれぬ雨月かな
氏神へ供ふ一俵今年米
◆句会特選
小さき秋大きく活けて句会場
豊の秋播磨路黄金色の雨
水澄みて人ごゑまでも映りさう
神の田へ深き一礼秋の暮
野に山に詩の溢れをりホ句の秋
【学生の部】
◆兵庫県西播磨県民局長賞
誰よりも受けた白球響く夏
◆たつの市長賞
バッタとぶ着地点には夢がある
◆(公財)兵庫県生きがい創造協会理事長賞
ホタルイカ波といっしょに踊るんだ
◆(公財)兵庫県芸術文化協会賞
幸せを瞳に残して花火散る
◆西播磨文化協会連絡協議会長賞
母の日に花一輪で笑顔咲く
◆神戸新聞社賞
青田波かきわけ走る姫新線
◆奨励賞
良い景色富士の樹海の万緑は
建物で小さく見える初夏の空
火消水水面に映る天の川
太陽に重なり光るとんぼかな
夏野菜クレヨンみたいにカラフルだ
夏休み新たな発見するチャンス
◆入選
東京に意外と若葉あるんだな
秋を待つたそがれどきの運動場
線香花火私の思いと反比例
雨さえも耳を澄ませば梅雨の歌
セミたちのイス取りゲーム家の松
平泳ぎ特別講師の雨蛙
眠る子の寝顔に囁く春の風
夏空に夢の一打を甲子園
夏の記憶友と雑魚寝で星見る夜
農作業祖母の額に光る汗
苺狩り子どものように母はしゃぎ
外見でごまかしたって金亀子