平成30年度西播磨俳句祭入賞作品
【一般の部】
◆兵庫県知事賞
山墓の深深ぬくき落葉かな
◆兵庫県議会議長賞
新涼や予約の本の届きたる
◆兵庫県西播磨県民局長賞
炊事の手止めて黙祷原爆忌
◆たつの市長賞
清流に洗はれてゐる大夕焼
◆(公財)兵庫県生きがい創造協会理事長賞
栗拾ふ山の光を拾ふかに
◆(公財)兵庫県芸術文化協会賞
空蝉の主は何処山深し
◆西播磨文化協会連絡協議会長賞
万緑に抱かれ踏み出す村起し
◆奨励賞
農に生き富まず病ずの生身魂
ひとり旅終へて自信の日焼かな
叱られてばかりの兄へ団扇風
底紅の底に夕日を畳みけり
◆入選
ふる里の闇に蛍の息づかひ
帰省子のまづふるさとの水を汲む
終バスや客は私と金亀子
音立てて地球を冷ます大夕立
目標は父母の齢やじゅくしがき
なまけ者一人もおらず蟻の列
生くるとは伝へゆくこと原爆忌
秋蝶の止まらんとして吹かれをり
碁石打つ音の身に沁む父の盤
水馬広し広しと輪を放つ
職退いて知足の暮らし心太
【学生の部】
◆兵庫県西播磨県民局長賞
ひまわりも君の笑顔もまぶしいよ
◆たつの市長賞
うたた寝の日なたぼっこや光合成
◆(公財)兵庫県生きがい創造協会理事長賞
映し出すたくさんの笑みしゃぼん玉
◆(公財)兵庫県芸術文化協会賞
受話器から祖母の笑顔が見える盆
◆西播磨文化協会連絡協議会長賞
幸せが駆けてきそうな虹が出る
◆奨励賞
雷がくれた部活のひと休み
桜舞う道真っ直ぐに染めてゆく
たんぽぽの命のバトンつなぐ風
袖口の母の太腕つかむ夏
◆入選
楽しさは花火とともにはじけだす
帰り道夕焼け染める思い出も
花火見て家族の笑顔も満開だ
やまびこの子供の声で山笑う
汗をかくシャツからにじむ信念を
ざあざあと頭に落ちる蝉時雨
汗かいてたまに遊んだ受験生
勉強のやるきスイッチかき氷
吹く風にゆれる大枝桜舞う
かき氷なにをかけよう青い空
使ってね私の臓器天の川
明日はやるそう決めたはず夏終わる